スイス山里COSMOSNOMADO

アルプスの山を眺め空を見上げながら心に映る風景を綴ります

ブログ開設ご挨拶

はじめまして。スイスに暮らす日本人です。ヨーロッパの真ん中の小国スイスにやって来たのは1980年代前半。日本はまだバブルの始まる前の時代でした。社会の中核を担っていたのは戦争を経験した世代で、世界もいわゆる西側陣営東側陣営に分かれていました。こちらで家庭を持ち仕事や社会活動を通して今はスイスに根を下ろしていますが、振り返れば異文化の中で悲喜こもごもいろいろな経験をしてきたものです。 この30数年の間に世界も日本も大きな変化を遂げました。世界情勢もソ連の崩壊を機に冷戦構造が終わりを告げましたが、代わって行きすぎた新自由主義経済の跋扈による別の問題も浮上してきました。そして、今はまさに情報技術革命のまっただなか。我々の暮らし方もWindows95が世に登場して以来徐々に、やがて10数年前のiPhone出現から激変中です。そんな中、ずっと日本にいれば内側にいる人間として、進行していく日本社会の変遷にも気づきにくかったかもしれません。けれども、海外に長く暮らしている人間の心には、日本に対しての記憶が国を出た時点でどこかに冷凍保存されているようです。そこに異文化の中での新しい様々な体験が重なって、日本や世界に対する違う角度からの視点も加わるようになったと思います。現在は様々なメディアから情報知識を得ることもできます。けれども、体験によってこそ広がる視野もあるでしょう。思えば人生の年月もずいぶん重ねました。

2020年もまもなく終わります。 クリスマスを待ち望む降臨節の時期、町にはアドベントのイルミネーションが煌めき、家庭ではアドベントキャンドルに火が灯ります。今年は、コロナに始まりコロナに終わる一年でした。昨年の今頃は、世界中がこんな状況を迎えることを誰が想像していたでしょうか。コロナの問題は、これからしばらくは続いて世界に大きな変化をもたらしていくことになるでしょう。実際に人が集まることができにくくなっている状況で、オンラインでの交流も増えていくことでしょう。物事には光と陰の両面があることに留意しながら、このコロナの時代でも人々が繋がれる可能性、 今いる場所を遠く超えて交流ができることに希望のひとつを見たいと思います。ブログの普及からはもう15年以上でしょうか。だいぶ遅れての参上ですが、ここスイスの山里の窓から見える世界の景色や心の風景を折々に綴っていきたいと思います。故郷を離れて人生の時を重ねた人間の時空に捉われない随想です。

 

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