スイス山里COSMOSNOMADO

アルプスの山を眺め空を見上げながら心に映る風景を綴ります

半世紀前の懐かしのドラマ「天下御免」

今週のお題「もう一度見たいドラマ」

今からおよそ半世紀近く前になろうか、NHKで「天下御免」というドラマを放送していた。痛快斬新な時代劇で、出演者たちも生き生きと魅力的な役者さん揃い。ほんとうにもう一度見たい!けれどそれは叶わぬ願いと知っているから、なおのこと懐かしい。ビデオ録画が残っていないのだから、ドラマ史を振り返るという枠での再放送もありえないのだ。当時はビデオ録画が大変高価だったらしく、普通のドラマの録画はしなかったのだろう。NHKアーカイブスに一部残っているが、それは主演の山口崇さんが個人的に録画していたのを寄贈したものらしい。出演者は、山口崇、林隆三、津坂匡章、中野良子、ハナ肇など錚々たるメンバー。一年ものだから、エピソードによって当時の人気俳優さんたちもいろいろ出てきたような気がする。若かりし頃の山口崇さん、林隆三さんは爽やかでとても素敵だった。10代の私は毎週見るのを楽しみにしていて、言ってみれば一週間のハイライトのひとつだった。物語は、江戸時代中頃に活躍した、ある意味で変人のような天才平賀源内を主役として繰り広げられる。脚本は早坂暁で毎回切れ味がよく、またユーモアと人情味のあるストーリー展開だったように記憶している。時代劇でありながら、70年代の日本の世相とリンクさせた筋書きで進んでいく。そこがまた新しく面白いところだった。ほんとに面白いドラマで、映画のように残っていないのがつくづく残念だ。