スイス山里COSMOSNOMADO

アルプスの山を眺め空を見上げながら心に映る風景を綴ります

新聞を読む習慣

毎朝、地元の新聞に目を通すのを日課にしている。丁寧に読むと時間が掛かるので、興味を惹かれた記事は取っておいて後で読む。ただ、油断しているとすぐに溜まってしまう。

夫は新聞を毎日丁寧に読む人である。私は冗談で「あなたにとって新聞読むのは楽しみの一つだけど、私にとっては勉強の一つ」と言ったりする。我が家は、ドイツ語圏の有力紙NZZ (ノイエ・ツルヒャー・ツァイトゥングの略) の他に地方紙を取っているが、私が読むのはもっぱら地方紙の方だ。NZZの記事は、一文が長いというか、文章のスタイルがちょっと小難しいというか、スイス人と言えども万人向けではないところもあるようだ。そういう意味では、私にとっては、この地方紙の方が読みやすい。

第一、NZZは分厚いが、ZSZ (ウチが取っている地方紙) はそうでもない。なにしろ、こちらの新聞は字が小さくて、一面いっぱい一つの記事だったりする。日本の新聞の字は、ずいぶん前から大きくなったし、一つの記事自体が長くない。それに、日本語は自分の母語だから、漢字を拾って斜め読みというか、早読みすることができる。だが、ドイツ語は大人になってから習得した言語なので、順を追ってアルファベットの海を泳いでいく。その昔、体調を崩していた時(今で言えばバーンアウト?)は、アルファベットを追うだけで気持ちが悪くなった。ただ、英語と比べて少しマシなのは、ドイツ語の名詞は始まりが大文字なので、幾分拾い読みに似たことができることか。とにかく、分厚い新聞は、丁寧に読んでいると時間が掛かる。

そういうわけで、この地方紙の方が時間をあまり取られない。それがいい点の一つだ。もう一つは、地域のニュースが載っていること。世界や全国のニュースは他でも知ることができるが、地元のことは地方紙に限る。その他、有名人だけではなくて、いわゆる無名でも、地域などで活躍している人物のインタビュー記事もある。この新聞は、地域の人も広く有名な人も含めて、毎日誰かしら個人の話の記事が載っているところが気に入っている。人の人生は様々で、人間って興味深いと思う。

第一面には、その日の主な記事が紹介されていて、その下に小さく詳細記事のページが書かれている。次に地方版のページが何枚かあって、それから、州やスイス、外国、社会・文化、知識・情報、経済、スポーツ、そして、いわゆる三面記事と、だいたいはこういう構成だ。

せっかくだから、新聞を読む習慣とブログを書く習慣を連動させてみようかと考えているところである。自分なりに印象に残った記事について、週刊感想文など書いてみるということで、さて、どうなりますか。ちなみに、今週初めのニュース。フランスの大統領決選投票でマクロン氏が再選された記事を興味深く読んだ。この大統領選は、ヨーロッパ中が注目していた。フランス一国だけではなく、今後のEU及びNATO、ひいてはウクライナの行方にも影響を及ぼすからだ。いずれにしても、マクロン氏には多難な道が待っている。