スイス山里COSMOSNOMADO

アルプスの山を眺め空を見上げながら心に映る風景を綴ります

最近の新聞記事から

最近読んだ新聞記事から、いつつほどピックアップして、ちょっとコメントも書いてみました。

 

1)ウクライナでの戦争:ほとんど毎日のように報道されているが、本当に心が痛む。何とか収束できないものなのか。権力を纏った一握りの時代錯誤の愚かな者どものために、死ななくてもよかった人たちや、若者たちの命が失われていくのはあまりにも痛ましく腹立たしい。生活の場を追われた避難民たちもどんどん増えている。スイスには約7万人ほどが避難してきているという。チューリッヒ周辺のゲマインデでは、避難者のための更なる住宅の確保が進んでいるそうだ。数日前の新聞には、ドニプロの民間住宅ロケット砲撃の犠牲者へ哀悼の意を捧げるロシア国内の市民の姿が報道されていた。モスクワにあるウクライナの女性詩人の像の前に静かに花を置く人々がいる。こういう純粋な気持ちの発露からの行為でも、警察は目を光らせている。近くに護送車も待機しているという。何と言っても、これはプーチンの戦争で、ロシア国民は手足目口を縛られて、プーチンの人質のようだ。大砲の餌食になるために徴兵され、反対者は逮捕と過酷な刑罰。プーチン自身はロシアのために死ねるのかというと、人には強制する癖に、自分は怖くてたまらない。人に会う時は、ものすごい距離を取るほどの小心者だ。ほとんどカリカチュア、事態を正す何かが起こらなければならない。

2)人間の最良の友、犬:スイスにも忠犬ハチ公がいるらしい。毎日駅のホームで飼い主を送り迎えしている犬がいる。その記事には、日本のハチ公の話が紹介されていた。スイスでは犬を飼っている人が多い。犬は、古来から人間の友として愛されてきた。人間と違って、これほど与える愛情に忠実に応えてくれる友はいないだろう。いや、友情ではなく主従関係だ。人間の友愛は対等だから。

3)ジーナ・ロロブリジータ、95歳で亡くなる:有名なイタリアの女優で、ハリウッドにも進出。フォトジャーナリストとしても活動。ディーヴァの華やかな写真に目を惹かれて読み始めたのだが、最初の部分が印象的だった。90歳の誕生日の時、ほんとに自分が30歳くらいのように感じていると語ったのだそうだ。ただ、その上にさらに30年、また30年と年月を重ねただけと。それから、一生を通しての、その自信に溢れた態度もすごいと思った。例えば、マリリン・モンローは彼女と一緒に写真を撮られるのを怖がったそうだが、ジーナには何でもない。イタリアでは、常にソフィア・ローレンとライバル視されていたらしいが、それも彼女には何でもない。つまり、私が一番よ、と思っていかららしい。事ほど作様に、自信というものは自己実現のエンジンになるもののようだ。マリリンには、それがなかった。心の中には、常に自己否定感があったのだと思う。だが、生い立ちを考えると納得できる。それから、持って生まれた気質の違いというのもあるだろう。たぶん、本当は根の優しい謙虚な人だったのかもしれない。

4)気候変動がチューリッヒ湖にも影響:チューリッヒ州は、水質保全にかけては非常に進んでいて、湖や河川の清潔さは折り紙付きだそうだ。だが、魚は何処へ行ってしまったのか?獲れる魚が、40年くらい前に比べると5分の1くらいになっているという。いろいろな要因が考えられるが、その一つには水温の上昇もある。例えば、去年10月の水温は1940年と比べて4度も高かったという。水温が15度以上になると、とりわけ鱒にとっては増殖性腎疾患の引き金になるのだそうだ。とにかく、気候変動にブレーキを掛けれらるかどうかが、水質の状態にも関わってきて、そこで生息する動植物にも影響することは確かだ。

5)スイスの人口統計:2002年にスイスとEUの間の人的流通の自由が導入されてから、スイスの人口は増え続けている。また、難民や移民も増えている。40年近く前には600万ほどだった人口が、今では裕に800万を超えた。これからの見通しとしては、2050年までに950万人から1100万人になるという予測が書かれていた。ただし、ある専門家の意見では、現実的に見ると900万くらいだろうと言う。スイスは確かに専門技術がある人にとっては、給料が高いので魅力的に違いない。この人口増加は、チューリッヒを歩くと実感する。20年くらい前までは、目貫通りのバーンホフシュトラッセでさえ人混みはなかったが、今は池袋や新宿化した感がある。

 

新聞記事ピックアップは、また別の機会に続きます。