日本では衆院選が終わって、政界の再編成があるらしい。在外選挙権を取ってから、毎回ベルンの大使館に出かけて投票していたが、今回は急なことで行く時間が作れなかった。それで、郵便投票を試みたが、あまりにも時間が短くて投票用紙が届いたのは、すでに選挙が終わってから。残念なことだった。日本に居て近くに投票所がありながら、行かない人が半分近くもいるなんて、本当にもったいないことである。私も、在外投票に行くようになったのは、インターネットなどで情報が取れるようになってからのこと。盲滅法投票すればいいというものではない。 ただ、戦後になって初めて女性にも与えられた選挙権だ。貴重な一票なのに、それを行使しない女性がたくさんいるのは残念なことである。もちろん、男性にも言えることだけれど。
さて、アメリカ大統領選が迫っている。アメリカの大統領が誰になるかで、世界にも大きな影響があるから、固唾を飲んで見守っているところだ。それにしても、トランプを選ぼうという人がいるのは理解し難い。ユーチューブで両陣営の選挙演説を聞いたりもしているが、トランプは相手方への罵詈雑言ばかり。政策だってラジカルなことばかり言って、不満を持つ層の憎悪を煽っている。そのくせ、アメリカをもう一度偉大な国にするのだと。これで、支持者が沸くのだから何とも不思議だ。一方、カマラ・ハリスの方は、きちんと理想とそれに近づけるための政策も語っている。ミシェル・オバマが演説で言っていたこと。ハリスには正確さを求めるのに、トランプはいい加減でもそれがトランプ流と流してしまうのは、フェアじゃないと。本当にそうだ。コアなトランプ支持者は、彼が喋る内容はどうでもいいのだ。理性的な判断ではなく、一種の狂信である。陰謀論者もトランプには引っかかりやすい。今回の選挙は全く予断を許さない。だから、ミシェルとバラク・オバマもスイングステートを中心に、何回も応援演説に入っている。オバマは言った。今回の選挙は政策を問う選挙ではない。その前に人格を問う選挙だと。そうである。選挙前にどんなことを言うかよりも、その人間が誠実であるか、人間性がどうなのかが大事である。日本だって同じ。衆院選で躍進した党の党首が選挙前に言っていたことを守るかどうかが注目される。さて、アメリカ。こんなにも人格的に問題のある人物が大統領になろうとしていること自体、だいぶ社会が壊れてしまっている。カマラ・ハリスになんとか僅差でも当選してもらいたいものだ。共和党支持者も、良識のある人はハリス支持を表明している。そして、カマラ・ハリスは分断ではなく、すべてのアメリカ人の大統領になることを宣言している。今までの演説を聞いていると、この人なら聞く耳を持っているだろうと思われるのだが。ガザでの戦争の終結に向けても努力してくれるのではないか。
あと二日。アメリカの品位が問われている。