スイス山里COSMOSNOMADO

紅葉世代の異文化通信

メモログ4

白夜

ブログともすっかりご無沙汰してしまった。久しぶりに旅に出たからである。行き先は、ノルウェー。先週の土曜日に戻って来たら、スイスは猛暑だった。意図したわけではないのだが、結果的に避暑に行っていたことになる。ノルウェーでは、最後のオスロ2日間を除いて、たいていレインコートと、時にはダウンが必要なほどだったが、戻って来たらなんと37度の暑さ。6月にスイスで37度とは、異常気象である。フランスやドイツはもっと酷いらしい。パリなどは40度を超えたとか。帰りの直行便のキャンセルで、急遽変更して飛んだ経由地のフランクフルトは39度だった。まさか中央ヨーロッパで酷暑とは。地震や洪水、地球が今までにない段階に入ってしまったようだ。「The Day After Tomorrow」という映画のような世界になりそうで、今こそ人類一体となってなんとかしないとならないのに。嘆かわしいことに、戦争をやって益々環境を破壊している。とんでもない人間たちが世界を牛耳っている。80年に渡って平和が続いた日本まで、低級な考えを持つ政治家たちに汚染されようとしている。ノルウェーの旅については、改めて書くつもりでいるが、今日は取り敢えず、気になることをメモしてみたい。

ちょうどノルウェーに出かける前に行われた国民投票について。「人口1千万人のスイス反対」案が否決された。それも僅差ではなくてはっきりと。もし賛成になれば、イギリスのブレグジットのようになるかと心配の声もあったが、国民は反対の意思を示したわけだ。ブレグジットに関しては、投票してから後悔した人が多かったそうだ。無責任に事実とは違うことを煽るだけ煽って、国民を誘導した。ボリス・ジョンソンなどもその一人だった。スイスの国民投票のいいところは、両方の意見がきちんと説明されること。新聞でも盛んに取り上げられるし、テレビでも討論番組がある。送られてくる投票用紙が入った封筒には、議題について丁寧に説明したパンフレットが同封されている。そこには、提案者側の意見と反対者の意見、そして、連邦政府はこの提案について賛成なのか反対なのかが書かれている。ドイツ語がよくできない人のためには、やさしいドイツ語で書かれたパンフレットもあると聞いた。皆んなが皆んな政治に関心があるわけでもないだろうが、スイスでは政治は生活と直結しているという意識があるから、報道も熱心である。日本とはだいぶ違うようだ。日本では、政府はなるべく国民に知らせないようにして、自分たちの思う通りに法案を通したがっているようだ。議会制民主主義にあるまじき態度である。ただ、これほど酷くなったのはここ10数年ほどのことだと思う。議会で多数を取れば独裁ができると思っているのか。とんでもないことである。

皇室典範の改正が問題になっている。このことについては前回も書いたが、これは日本に取って大変大きなことである。国民の8割以上が愛子天皇を望んでいるのに、政権は全く聞く耳を持たず、ひたすら自分たちの案を進めようとしているらしい。しかし、何がなんでも男でなければならないというのは、時代錯誤感も半端じゃない。天皇陛下のお子様であっても、女だからダメで、遠く離れた血筋から男の子を養子にして、その養子の子が男だったら皇位継承権があるとは、全く解せない話だ。愛子内親王が天皇になったら結婚できないなどと言う発言も飛び出したと言う。この人たちは皇室乗っ取りの計画を立てているのだろうか。何が狙いなのだろう。天皇陛下は婉曲にこの案に納得できない気持ちを述べられている。国民が納得するものに、と記者会見で語られた。訪問されたオランダ・ベルギーでは、それぞれの長女がともに女王になる予定だ。そう言う意味で、このご訪問は象徴的だったと思う。天皇家は当事者なのに、自分たちの行く末について何も言えないというのはどんなお気持ちだろう。上皇陛下が退位を望んだときのように、何か発信ができないものなのか。宮内庁は何をしているのだろう。ここで最も違和感があるのは、初の女性首相が女性天皇に反対していること。その話をこちらの人にしたら、首を傾げていた。皇室問題を深く考えたことはなかったが、現在進行中の諸々を見ていると、深く考えざるを得なくなる。考えれば考えるほど、この男尊女卑思想に染まった人間たちに強い違和感が増す。初の女性首相は、実は女の敵だったのか。日本を世界の中心で輝く国にしたいそうだが、これでは笑い者になるだけではないのか、と思ってしまう。