今週のお題「スッキリ!」
ギターで伴奏できる曲が少しづつ増えてきた。音域に合わせるために、カポタストを付ける曲もあるが、私のギターは小振りなので、できれば付けない方が弾きやすい。カポ無しでもなんとか歌えて難しくはないのだが、どういう表現ができるのか練習している曲がある。それは、サトー・ハチロー作詞、加藤和彦作曲の「悲しくてやりきれない」である。今の世界や日本の状況を見ているとあまりにも理不尽で、スッキリした気持ちになるのはむずかしい。だが、逆療法と言うか、演奏することで、内に籠ったモヤモヤを音楽に預けて発散する効果がある。悲しい歌は、たいていそうかもしれない。さて、3番まで該当する部分を書いてみよう。
1番「悲しくて悲しくてとてもやりきれない。このやるせないモヤモヤを誰かに告げようか」2番「悲しくて悲しくてとてもやりきれない。このかぎりない虚しさの救いはなんだろうか」3番「悲しくて悲しくてとてもやりきれない。このもえたぎる苦しさは明日も続くのか」
不条理、理不尽が罷り通る世の中である。こんな世界でも、スイスは国としてまだよく機能していると思う。問題は多々あるが、制度が整っていて政治家はそれを守っているからだ。だが、今のアメリカの様子は目を覆うばかりだ。そして、世界的な混乱を引き起こしているそのトランプに、日本の首相はわざわざこの時期に会いに行った。それも、今まで仲良くしながらも、イランの件では毅然として一線を引いたイタリアのメローニ首相とは正反対の振る舞いで。孤立を深めるトランプに、飛んで火に入る夏の虫、とはこのことだろう。写真と動画を見たが、あの一連の態度はいかがなものだろう。結果がどうこうよりも、何よりもあの媚びた振る舞いが情けない。驚いたのは、最初の挨拶が、あの抱き付き方だ。西欧社会に長く住んでいるが、ああいうスキンシップは、離れ離れになっていた家族の再会や恋人たち以外では見たことがない。そして、あの手の組み方や繋ぎ方や目付きは、なんというか、媚を売る仕事をしている人のようだった。首相の振る舞いとして恥ずかしすぎる。卑しくも一国を代表している人間のものではない。さらに驚愕したのは、トランプのバイデン元大統領への嫌がらせ写真の前で可笑がるあの態度。彼女は外交をなんと心得ているのか。いや、それ以前に、軽すぎる人間性と品性のなさが露呈してしまった。我々在留邦人は、ネガティブな意味で「日本人は」と言われないように振る舞っている。あの女性の態度が、日本人を、日本人女性を代表するものだとは思われたくない。まあ、こちらでも常識ある人々ならそうは思わないはずだが。日本の人々に問いたい。あの人が首相でいいのですか、と。政治信条以前の問題である。何とかしないと、日本人が戦後築き上げてきた良いイメージが損なわれる。
だが、日本には、その対極にある女性もいる。上で言及した女性よりも、ずっとずっと若い方だ。その方を見ることで、このモヤモヤが晴れて、少しスッキリした気持ちになる。それは、敬宮愛子殿下。この内親王殿下の立ち居振る舞いには、内側から滲み出る品格がある。まだお若いのに、最近はますます風格が増している。親しみやすさがあって、笑顔も可愛らしいのに、そこには何とも言えない品位が感じられる。そして、時折見せる真剣な眼差し。実は、愛子内親王のラオス訪問動画の数々を観てから、そのお人柄に魅了されてしまった。先のシニア女性の場合がそうであったように、動画は嘘をつけない。他者への気遣い、その誠実さ、その品格が、自然と立ち居振る舞いに現れている。愛子内親王が中学の修学旅行の後に書いた感想文を読んだ。平和への強い思いが綴られている。原爆で亡くなった人々の苦しみに心を寄せ、平和の大切さと、そのためには自らも貢献していこうとする決意が読み取れる。激痩せされた時期があったが、思えば、ちょうどこの頃と重なる。愛子内親王の今の輝きは、自らの存在と役割にとことん悩み苦しみ、それでも逃げずに向き合って生きる決意をした人間だけが持つものだと推察する。言葉ではなく自ら実行する決意。それが、日本赤十字社への就職にも表れているのではないか。
このように、人間性において対照的な二人の女性が、今の日本のトップにいる。一人は首相として、もう一人は皇女として。一人は過去の残像であり、もう一人は未来の希望を象徴している。年齢の問題ではない。これからの日本と世界を担う姿勢において、これほど対照的な女性がいるだろうか。このまま争いの世界が続いていけば、前にも書いたように、人類は「風の谷のナウシカ」の地球に生きることになるだろう。一人は、日本初の女性首相だということで期待されながら、その品位と誠意に欠ける言動にはモヤモヤ感が増すばかりだ。一方の若い女性には、日本国民及び日本国の象徴としての立場を担いうる品格と誠実な人間性があり、澱んだ空気をどこかスッキリさせる清涼感が溢れている。





