スイス山里COSMOSNOMADO

アルプスの山を眺め空を見上げながら心に映る風景を綴ります

思うこと・考えてみたこと

飛行機の中で映画「ナポレオン」を観て思い出した昔のエッセイ「英雄について考えてみる」

バスの中から撮った成田の町 しばらく日本で忙しくしていて、ブログもご無沙汰してしまった。やっと少し書く時間ができたので、帰りの便で観た映画について思いを巡らしてみた。少し前にスイスでも映画「ナポレオン」が公開されていた。ナポレオンには好感を…

節分の日に

今日は2月3日、節分でした。3年前の節分の日に書いた記事を読み返してみて、やはり煩悩は手強いものと改めて思ったので、再掲載してみます。 「心の鬼退治」 今年は2月2日が節分だという。子供の頃の豆まきを思い出す。豆だけでなくキャンディーも混ぜ…

「ザ・クラウン」や「プレイリスト」を観て湧いた色々な思いについて書いてみる

ネットフリックス「ザ・クラウン」の最終シーズン6の配信が始まった。パートを二つに分けて、11月16日と12月14日に配信。シーズン5からかなり間が開いた感じだ。エリザベス女王の物語は見応えがあった。一本筋の通った人間の生き方。だが、ダイア…

雨の土曜日に思ったことあれこれ

このところグッと肌寒くなってきた。窓から眺める山里の景色は、雨に煙っている。こんな日は、家にいると頭の中にいろいろな思いが浮かんだり消えたり。脈絡のないことだが、書き留めてみよう。 今朝「日本語から言葉を考えよう」という、生田守先生のZoomセ…

注目の日本人男性二人

月と暁けの明星 注目の、と言っても、ただ私が注目しているということなのだが。それは、山本太郎氏と中田敦彦氏。共に40代、共に芸能界出身の人である。この二人に共通するのは、その行動力と溢れるエネルギー。そして、既成の価値観にこだわらない自由さ…

ナオミ・クライン「ショック・ドクトリン」についての解説テキストを読んで思ったこと

今週のお題「ゾッとした話」 ふとしたことで、NHKの番組「100分で名著」のテキスト、ナオミ・クライン「ショック・ドクトリン」を読んだ。国際ジャーナリストの堤未果氏が解説している。ナオミ・クラインのこの本が出たのは、すでに16年前になる。当時…

日本国憲法前文について考えてみる

日本は、祝日の連なるゴールデンウイークの真っ只中である。スイスに住む身には、休日はあまり関係ないが、やはり5月3日は心に引っかかる。今日は、今からちょうど76年前に新しい日本国憲法が施行された日だ。それで、ライブラリーに入っている「日本国憲…

「希望」という名の希望

「希望」という歌があった。「希望という名のあなたを訪ねて、遠い国へとまた汽車に乗る」で始まる歌だ。なぜにまた急にこの歌のことが頭に浮かんだのか。昨今のニュースを見聞きしていて、希望と反対の気持ちを持ってしまったせいかもしれない。環境問題と…

外から見ていたこの10年

今週のお題「変わった」 日本はこの10年で変わった。何か今まで日本人が大切にしていたものが蔑ろにされていった10年だったような気がする。社会全体に閉塞感が広がっているようだ。 それはどうしてだろう。やはり一番に考えられるのは政治の劣化ではな…

久しぶりの桜に思うこと

今週のお題「お花見」 日本で桜を見るのは久しぶりだった。今まで帰省はたいてい秋だったから。ところが、用事ができて急にまた日本へ行くことになった。時期的に桜は期待していなかったが、今年の東京は例年より開花が早く、思いがけず満開の桜を見て戻って…

品位に欠ける政治と社会、でも未来に賭ける

今週のお題「かける」 テーマが変わってしまったけれど下書きにしまっていたのでアップします。 日本語は、同音異語がたくさんあるから面白い。今週のお題「かける」という語もそうだ。掛ける、架ける、欠ける、賭ける、駆ける、描ける、書ける、などなど。…

「古い・新しい」について考えてみる

新しい年が始まって半月あまり経つと、すっかり2023年という呼び方にも慣れてきて、2022年という言葉は、何となく古めいた感じを帯びてくる。時間が前に進むとすれば、過ぎ去った時間はどんどん後ろに消えていってしまうわけだ。イタリアの物理学者…

久しぶりの日本で体験したこと、思ったこと

先日、航路について書いた。今度は、あちこちになるかもしれないが、久しぶりの日本での印象を書いてみたい。 今回飛んだスイスインターナショナルは、成田第一ターミナル発着である。前回はANAを利用しての羽田発着、だから成田空港は4年半ぶりだった。入…

選挙について考えてみる

日本では、今週の日曜日はとても大事な日である。参議院選挙の投開票日だ。日本のこれからの命運を決する日と言ってもいいだろう。今回の選挙の後は、3年間国政選挙は行われないという。衆議院選挙は4年ごと、参議院選挙は3年ごとだから、確かにそうだ。…

エリザベス女王即位70年祭典に思うこと

エリザベス女王が即位して70年、英国ではここ数日に渡って盛大な祝賀の催しが続いている。その様子は、こちらのテレビや新聞でも伝えられた。また、ユーテューブにもたくさんの映像がアップされている。イギリスのことなのに、多くの人が関心を持っている…

和顔愛語

最近のことだが、ある人と人間関係や今の社会について話していて、ふと「和顔愛語」という言葉が頭に浮かんだ。これは、仏教で使われる言葉である。 もうずいぶん前のことになるが、ある日本人のお友達が言っていた。彼女の娘さんが「ママ、どうして人と会っ…

こんな時期だから、独裁になりえないスイスの政治制度を讃えたい

地元の新聞に、元連邦大臣二人の対談の記事があって、面白く読んだ。一人は、社会民主党のMicheline Calmy-Rey氏、もう一人は、国民党のChristoph Blocher氏だ。 この二人は、連邦内閣で大臣として重なる時期があったが、一方は左派、他方は右派と、政治的立…

今あらためてしみじみ眺める地球の写真

今週のお題「デスクまわり」 テーマを受けて、自分の机の上や周りを見回してみた。まず、机の上を見てみる。目立つのは並ぶ辞書類。外国に暮らして、言葉に関わる仕事や活動をしている身には必須だ。独和辞典、和独辞典、英和辞典、和英辞典。それから、国語…

独裁者を生まないために

身辺が落ち着かなくて、ここしばらくブログから遠ざかっていた。コロナはまだ収束していない。しかし、オミクロンなどは感染力が強くても、軽症で済む人が多いらしく、人々は次第にこの状況に慣れつつある。ところが、今度は新たに、世界を揺るがす衝撃的な…

街角カフェでコロナのことを考える

目医者の予約があったので、久しぶりにチューリッヒの街に出た。最近はコロナのせいもあって、特に用事がなければ遠出もしなくなった。そんなわけで、久々の外出である。ということで、予定の時間より早く街に行ってみる。ちょっとカフェに入ってゆっくりし…

お正月も過ぎて思うこと

2022年も通常モードに入った。日本からの年賀状なども配達が落ち着いたころだ。最近は、コロナのせいか少し遅れ気味の感もある。 新聞に目を通しても、コロナ感染についての記事が多い。オミクロン株は感染力が強いというので、警戒されている。だが、重…

新年のご挨拶

新年おめでとうございます。 ブログを始めて、およそ一年になります。折々の随想を載せるエッセイブログとして、1週間から10日に一度の更新を目安に続けてきました。以前「2021私のオンライン元年」に書いたように、コンピューター到来の前に社会に出…

おせち料理から、いろいろ考えてみたこと

独立した子供が、お正月料理をこちらの友達に一度紹介してみたいと言う。我が家でもお雑煮は毎年作っているが、その他は食材も限られているし、いわゆる伝統的なおせち料理ではなくて自己流アレンジ。でも、この機会に少しは本格的なものに近いのを作ってみ…

あれから一週間、選挙について考えてみる

衆議院選挙から一週間経った。今回の選挙は、少し驚きの結果だった。インターネットで見る盛り上がりと、実際の有権者の投票行動が噛み合っていないという印象がある。つまり、投票率が思ったほど高くなかったのだ。 選挙前の日本の雰囲気がどうだったのかは…

この10年

はてなブログ10周年特別お題「10年で変わったこと・変わらなかったこと」 十年一昔という。子供を見れば、歳月が歴然とする。10年前に生まれた子供は、今十歳だ。十歳だった子供が二十歳。大人の10年には比べられないほどの、これは大変化である。そんな…

「爆発」という言葉の考察

今週のお題「爆発」 あらまあ、穏やかならぬ、なかなか刺激的なテーマですこと。どう発展できるか、とりあえず挑戦してみることにした。 まずは、広辞苑から「爆発」の意味を引いてみる。 1)圧力の急激な発生または解放の結果、熱・光・音などと共に破壊作…

終戦の日に、島倉千代子さんの「からたち日記」を思う

76年目の8月15日を迎えた。終戦の時に20歳だった人が、今年はすでに96歳。太平洋戦争が始まったのは、1940年12月8日だが、昭和は1945年まで、日中戦争も含めて戦争の時代だった。昭和一桁生まれの人たちには、子供の頃からずっと戦争が…

二つの東京オリンピック

今、東京オリンピックが開催されている。1964年に続き、2回目の東京でのオリンピックになる。だが、東京オリンピックと言っても、この二つには天と地ほどの違いがあると感じる。 1964年のオリンピックは、戦後19年、敗戦の焼け野原から復興した日…

英雄について考えてみる

今年はナポレオン・ボナパルトが没してから200年だという。1821年の5月5日に亡くなったということから、その頃テレビなどで盛んに取り上げられていた。ナポレオンと言えば、誰しも英雄という言葉を思い浮かべるだろう。彼は、フランス革命後のヨー…

HSPの記事をきっかけに考えたことあれこれ

人の気質のひとつにHSPという定義があるのを知った。きっかけはこうだ。アマゾンは、よくお勧めの本の情報を送ってくる。その一冊がHSPのパートナーを持った人の本だった。それで、HSPとは何だろうと調べてみたのだ。まず、この言葉はHighly Sensitive Perso…