スイス山里COSMOSNOMADO

アルプスの山を眺め空を見上げながら心に映る風景を綴ります

クリスマスマーケットのホットワインやスイスの鍋料理の話など

今週のお題「あったか~い」

毎年この時期になると、街はイルミネーションに彩られ、クリスマスマーケットが始まる。去年は、コロナのせいでクリスマスマーケットは中止になったが、今年はまた通常通りに行われるようだ。数日前に、チューリッヒ中央駅を通ったら、広場に並ぶお店小屋や食べ物小屋の設置がされていた。いつも、真ん中あたりには大きなツリーが置かれ、スワロフスキーの宝飾でキラキラと飾られる。目抜通りのバーンホフシュトラッセの空には、Lucy in the Skyと名付けられたイルミネーションが輝き、路地にもそれぞれ電飾の明かりが灯る。霧に覆われたチューリッヒの夜が華やいで、道行く人々の顔も心なしか明るくなるようだ。クリスマスを待ち望む降臨節の4週間は、寒くて暗い冬の希望の時になる。

クリスマスマーケットの楽しみの一つは、屋台で飲むホットワイン。ドイツ語ではGlühwein グリューワインと呼ばれるが、赤ワインに、グローブやシナモンの他にもいろいろな香辛料、オレンジやレモンなども入れて沸かしたワインだ。寒い屋外で飲むには打ってつけで、身体が温まる。駅の広場のマーケットのホットワインの屋台は、友達と待ち合わせたり、電車を待つ時間に飲むのにちょうどいい。

それから、熱々のラクレットを食べさせる屋台もある。あとは、焼きソーセージ屋さん。これらは、典型的なスイス名物だが、インドだったり、チベットだったり、異国の食べ物を売っている屋台もある。そう言えば、数年前、オペラハウスの広場に日本のラーメンの屋台を見つけた。ラーメンは、今こちらでブームの感がある。そのうちに、うどん屋さんもできるだろうか。

冬は、何と言っても鍋料理だ。スイスにも鍋料理がある。それは、フォンデュ。王道はチーズホンデュだが、ミートフォンデュも人気だ。フォンデュシノワとも呼ばれているが、クリスマスに食べる家庭も多い。カットした牛肉や野菜を串刺しにして、鍋のブイヨンスープに入れて軽く煮てから、いろいろなソースで食べる。準備さえしておけば、皆んなで一緒に食べられるといういう手軽さも人気の理由なのだろう。一般的には、チーズフォンデュには白ワイン。特に、私の好みとしてはファンダンが合う。ミートフォンデュには赤ワインだろうか。

鍋で思い出すのは、やはり日本の冬の風物詩。いろいろな思い出が蘇る。こちらでも、手に入る材料で我が家風の鍋料理を楽しんでいる。石狩鍋風とかいろいろ試すが、けっこうお客さんにも喜ばれる。魚が苦手で肉がお好きな人には、すき焼きが一番だ。日本の鍋には、私の好みとしては、やはり日本酒である。昔は、日本酒は日本に帰省した時の楽しみだったが、最近は、美味しい日本酒も手に入るようになった。ただし、値段は日本の3倍くらいする。だが最近、韓国食材店で「米だけのやさしい思いやり」という日本酒を発見。これは日本ではワンコインの手頃なお酒らしく、こちらでも値が張らないので、内輪で飲むにはなかなかいい。それにしても、昔に比べたら、日本の食材が身近になったものだ。

今年の降臨節とクリスマスの行事が滞りなく行われることを願っている。というのは、最近スイスでも、再びコロナの感染者が増えてきているからだ。お隣のオーストリアではロックダウンに入った。ドイツも今微妙なところだ。来年こそはこのパンデミックが収束することを祈りながら、個々の責任を自覚して行動していきたいものだ。

 

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