スイス山里COSMOSNOMADO

アルプスの山を眺め空を見上げながら心に映る風景を綴ります

週末のコンサートに向けて

明日は、趣味の音楽好きグループのコンサート。私はいつも歌で参加している。たいていアルトの声でシャンソン系を歌っているが、今回はメゾソプラノに挑戦。2曲歌うが、ひとつは武満徹の「めぐり逢い」である。ある催しでこの歌を聴いて気に入ったので、挑戦したいと思って。その時は、ソプラノの方が歌っていた。ソプラノ歌手にもいろいろあって、私は、これでもかと張り上げるような歌い方は苦手なのだが、その方は高音ながらそんな感じがなかった。それからというもの、「めぐり逢い」のメロディーが頭の中を巡っていたのだ。しかし、である。自分が歌うとなると、これはまたなかなか難しいものだと実感。私は、コーラスではアルト、高い声も出なくはないのだが、やはり訓練がいる。女性にしてはかなり低音までいける分、2オクターブ半以上の範囲で声は出るけれど、上は高いEくらいまでが聴かせられる限界である。それで、原曲より2音下げて歌うことにした。ピアノはお仲間が弾いてくださる。この趣味のグループは、仲間同士のコラボが楽しい。さて、練習はしたが、本番ではどうなることやら。なんだか着慣れない服を着ている気持ちである。やっぱりソロは緊張する。もう一曲は「メリー・ウィドウ・ワルツ」を歌う。こちらは、1オクターブ下げて男性の声で歌うが、「調べとともにときめく胸はこの想いを告げよと波打つ」の部分がなかなか難しい。歌い慣れた低音だと思って、練習は「めぐり逢い」に力を入れていた分、かえって心配になってきた。皆それぞれ練習に励んで明日は一堂に会する。今回は最後に合唱もすることになった。こちらに住んでいる日本人同士、年に2回のコンサートで久しぶりに顔を合わせて、そのあとアペロで楽しむ。海外にいると、出身地はいろいろでも、日本を故郷に持つ同郷人だ。こういった交流は、心楽しいものである。

音楽といえば、夏に入ると野外コンサートなどが目白押しになる。たとえば、今晩はチューリッヒのオペラ座前の広場で、大スクリーンにオペラ「ドン・ジョバンニ」が映写される。入場無料で誰でも広場で観ることができる。オペラ座は、毎夏こういったイベントをしている。オペラは高いものだが、こういった機会があれば、気軽にオペラに触れることができるわけだ。今日は天気がいいので、かなりの人出になるのだろう。チューリッヒは小さい街(東京育ちの目には)だが、いつも何かしらイベントがあって賑わっている。文化的にも興味深い面白い街だと思う。