スイス山里COSMOSNOMADO

紅葉世代の異文化通信

スイスで日傘、、、太陽光線の今むかし

今週のお題「日焼け対策」

女性の日焼け対策には日傘、日本にいた時には普通のことだった。ところが、スイスではこれが一般的ではない。日傘を差して歩いていると、時々「雨降ってないよ」というように見る人もいたものだ。だが、つい最近まで珍しかった日傘も、太陽光線が強烈になった今は違う。真夏には、傘を差す人をチラホラと見かけるようになった。けれども、日傘は普及していないから、雨傘を差している。スイスの夏も、それほど暑くなったのだ。ただ、湿気も増えたとはいえ、日本とは比べ物にならないのは確かだが。

昔は、スイスの夏は凌ぎやすかった。いや、夕方などは肌寒いくらいだった。だから、夜まで外出する時は、必ず上着を持参したものである。夏が好きな私は、暑い夏が恋しいくらいだった。そして、夏に沈むあの赤い夕陽も。だから、三十数年ほど前の夏に、初めてトルコに旅行した時は、それこそ日本の夏を思い出して、懐かしい思いが込み上げたものだ。

アルプス以北に住む人たちには、南欧の太陽への憧れがある。それで、夏休みにはギリシャやイタリアに出かける人が多い。スイスには山と湖があっても海がないから、海への憧れもあるだろう。けれども、今の南欧の暑さはかなりの厳しさである。地球温暖化と言われるが、本当に全体的に気温が上がったのを実感する。昔から山歩きをしているスイスの知人曰く、太陽光線は確実に強烈になったと言う。皮膚癌を防ぐためにも、日焼け止めクリームや帽子は欠かせない。

太陽光線は皮膚の老化を進める大きな原因の一つである。こちらの人たちは、太陽を浴びるのが大好きな人が多い。だからサングラスだけで日光浴をする。しかし、これはシワとシミの大敵である。若いうちのツケは、年齢がいってからやってくる。日傘などを差して日焼けを極力避ける日本にいる日本女性と比べると、かなり早いうちからシワが目立ってくる。もちろん、これは白人の人の皮膚が薄いと言うのもあるが、やはり顔を日光に当てるのをモノともしないのも一因だろう。

これからドンドン気温が上がっていって心配なのは、氷河が溶けることである。あの有名な広大なアレッチ氷河も、縮小が進んでいる。氷河がなくなると、水源がなくなる。北極の氷も溶け出しているという。また、シベリアの凍土が溶けた場合は、眠っていた未知のウイルスが目を覚ます恐れもある。山火事も増えているし、土地の砂漠化も進んでいくだろう。地球の温暖化はこれからの人類の脅威で、誰も逃れることはできない。同じ地球に乗り合わせているのだから、一致団結して対策を立てなければならないはず、戦争などしている暇はないのだ。