スイス山里COSMOSNOMADO

アルプスの山を眺め空を見上げながら心に映る風景を綴ります

頭の引き出しから、しまってあった夢を出してみる

お題「ずっと覚えている夢」

はてな編集部の毎週のお題の他に、ブログの利用者が出題しているお題もあると知った。ざっと見てみる。いくつか興味を惹かれたものがあったが、これはその一つ。

夢は不思議だ。昼間はまったく考えていなかったことや人が出てきたり、奇想天外なお話が展開したりする。たいていの夢は忘れてしまうが、ずっと覚えている夢もある。そんな夢は、どこか頭の引き出しに入っているらしい。お題を見て、しまっていた夢をいくつか外に出してみた。ずっと引き出しに眠っていた夢だから、年数が経って少し色は褪せてしまったけれど。

ひとつは、地下の国のお話。町の中通りを大声を挙げながら、女の人が駆けていった。何事かと思って外に出て、何人かで跡を追う。立ち止まった彼女は、パニック状態で切れ切れに話してくれる。飛行機に乗って旅立とうと思いきや、それはできないと言われたと。空はないのだと。えーっ、一同みな驚愕する。それじゃあ、我々が見上げているあれは何なのだ?頭上に広がっているものは空じゃないのか。なら、調べてみようということで、手がかりを探し回る。やがて、町から離れたとある場所に非常口のような鉄の螺旋階段を見つける。長い長い細い梯子のような階段を登っていくと、天井に突き当たった。頭の上に小さな扉がある。鍵は閉まっていないようだ。そーっと持ち上げると、ギーっと音を立てながらほんの少し隙間が開いた。隙間から覗くと、少し離れた所に歩哨のような感じで、制服を着た大男が銃を持って立っているのが見えた。ああ、我々は地下の国に住んでいるのだ。ここからは出られないのだ。普通に暮らしていると思っていたのに。いろいろ解釈できる面白い夢だ。

別の夢は、津波の夢。これも強烈に覚えている。見たのは、ちょうどタイのプーケットで大津波がある少し前だったか。私は、海辺に立っている。すると、水平線が盛り上がってきた。あ、津波が来る、逃げろーと叫んで、皆で慌てて海の家に走る。波がごおーっと追いかけてくるが、間一髪で家にたどり着いて部屋に入り襖を閉める。これが夢の奇想天外なところで、実際なら海の家なんか一溜りもないはずなのに、水は襖の外の廊下をざあーっと流れていって、部屋の中には入ってこない。ああ、助かった。しかし、ほんとに不思議な夢だった。あの津波の後ならいざ知らず、そんなことなど全く考えてもいなかったのだから。

それから、空を飛ぶ夢も印象に残る夢だ。最近は見ていないが、時にそんな夢を見る。そのひとつは、東京の上空を飛ぶ夢。東京を歩いている。ある時間までにある所まで行かなくちゃならないのだが、間に合いそうもない。そうだ、飛んでいけば間に合う。そう思って、スッと垂直に飛び上がってみる。うまくいった。あとは泳ぐように空気を掻き分けていけばいい。スイスイと東京のビルを眺めながら飛んでいくのは気持ちがよかった。

時に怖い夢を見ることもあるが、今晩はどんな夢を見るかと楽しみな時もある。