スイス山里COSMOSNOMADO

アルプスの山を眺め空を見上げながら心に映る風景を綴ります

地元はどこでしょう?

今週のお題「これって私の地元だけですか」

地元って何かしら?私の地元はどこかしら?と、まず考えてみた。外国暮らしの方が、日本で暮らした年月よりも長くなると、なかなか難しい。生まれ育った土地と言われれば、それも難しい。子ども時代に何回か引っ越しをしているから。ただ、大半は東京に住んでいたので、そういう意味での地元といえば、やはり東京になるだろうか。

もう一つ、今住んでいる地域を地元とすれば、大きく括ればスイスになる。と言うのは、スイスの個々の地域の差は、日本と比べれてみれば小さなものだから。たとえば、こちらにも日本人が増えてきているけれど、日本では様々別の地域で育ったにも関わらず、大きく括れば、故郷っていうのは日本になる。北は、北海道から、南は、沖縄まで、出身地や生育地は様々。でも、スイス人と対比した場合は、日本で育っている私たちには、日本文化を背景に持っているという共通性があるわけだ。日本にいれば、関西の人と関東の人は、文化が違うところもあるはず。けれど、スイス在住の日本人とすれば、日本人という共通項があって、日本という「ふるさと話」が弾むことになる。それが面白い。私の感触では、東北出身の人より、関西出身の人の方が多い。また、東京よりも、大阪の人の方が多い気がする。東京日本人会というのは聞いたことがないが、関西日本人会というのはあるそうだ。東京人と大阪人が話す時は標準語だが、大阪の人たちだけで集まる時は、大阪弁でお喋りしているみたい。私は、何となく大阪弁が好きで、大阪の人に混じっている時に、自己流の大阪弁を試してみたりするのだが、そのイントネーション、ちょっと違います〜と言われてしまう。こちらに盆踊りグループがあって、それぞれお国自慢の盆踊りを持ち寄って踊っているのも楽しい。日本祭りで披露する時は、日本のフォークロアということになる。

それにしても、昔は、道やスーパーなどでアジア人を見かけると「あのー、日本の方ですか?」なんて、皆んなけっこう声を掛け合っていたが、これだけアジア人が増えてくると、もうそういうことはなくなった。東南アジアの人は、顔立ちが東アジア人とは違うから、それはわかった。また、当時は、華僑の人は別として、中国人はあまりいなかったが、今見かける東アジア人らしき人たちは、中国系が多い。日本人の若い人たちも増えてはいるはずだが、インターネットの普及している時代では、SNSなどで繋がっていて、とくにリアルで誰かと知り合おうとする気持ちもないのかもしれない。昔は、コミュニケーションを取るには、実際に人と知り合う必要があったから。

私の地元はどこでしょう?こちらの生活にもすっかり馴染んでいる。だから、スイスが地元になっているのだろうか。これだけ、情報的にも世界が広がっている時代、宇宙にさえも意識が広がっている時代には、やがては、地球が地元と思う人たちも増えてくるのかしら。