スイス山里COSMOSNOMADO

アルプスの山を眺め空を見上げながら心に映る風景を綴ります

2021-01-01から1年間の記事一覧

HSPの記事をきっかけに考えたことあれこれ

人の気質のひとつにHSPという定義があるのを知った。きっかけはこうだ。アマゾンは、よくお勧めの本の情報を送ってくる。その一冊がHSPのパートナーを持った人の本だった。それで、HSPとは何だろうと調べてみたのだ。まず、この言葉はHighly Sensitive Perso…

スイスのドイツ語事情

スイスには、四つの言語圏がある。ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語が公用語になっている。割合的にはドイツ語がおよそ60パーセント、フランス語が30パーセント、イタリア語が10パーセント、そしてロマンシュ語が1パーセントほど。都…

コロナ規制下、ロカルノ訪問で思ったことあれこれ

コロナ禍が広がって以来、初めての遠出をした。ロカルノで親戚の告別式があったのだ。スイスでは、隣国フランスなどとは違って、移動の制限はない。 コロナで、告別式も列席者の数は制限されている。こちらに来てから、お葬式には幾度も列席したが、そういう…

古いギターが新しく生活の逸品となったという個人的な話

#新生活が捗る逸品 4月は、日本では新しい始まりの季節だ。官庁や大半の会社では新年度のスタート、学校では新学年のスタートだ。就職や入学で独立して一人暮らしを始める人たちもいることだろう。何を揃えようかといろいろ考えを巡らしたり、買い物に行っ…

猫のクロの話 その3

夕方になると、決まって近所の黒猫が我が家の台所の前を横切っていく。今日もそうだった。いつものように急ぐ風情もない。毎日、自分のテリトリーを点検して回っているのだろう。その姿を見て、そうだ、クロの第3話をまだ掲載していなかった、と気がついた…

過去を知ることで未来に活かす知恵

いつだったか日瑞両方の血を引く若者と話した時の彼の言葉が頭に残っている。たぶん、最初のコロナ禍のロックダウンの頃だったかもしれない。シニアの外出自粛のことが糸口で、「老人」についての話題になったような気がする。 「自分は、老人は大事だと思う…

カズオ・イシグロ氏のインタビュー記事を読んで考えたこと

購読している地元の新聞をパラパラと繰っていたら、ある見出しに目を引かれた。アジア系中年男性の写真とともに、大きく「我々は根源的なところで孤独である」と書かれていた。ちょうど、ブログに「孤独について考えてみる」と題して文章に書いたところだっ…

「我が青春に悔なし」に見る原節子の女優としての本領と、黒澤明と小津安二郎の作風について

最近、石井妙子氏のノンフィクション「原節子の真実」を読んだ。原節子と聞いてまず浮かぶのは小津映画だろう。「東京物語」「晩春」「麦秋」「秋日和」「小早川家の秋」などに出演している。戦後の小津映画を語る時、原節子は欠かせない存在だ。小津安二郎…

孤独について考えてみる

このコロナ禍で、人との交流が難しくなっている。先日見たスイステレビの番組で、スイスの人の三人に一人が何らかの「孤独」を感じているという。すべてをコロナに帰することはできないと思うが、一年にわたる様々な「社会的距離」は人々の心に大きく影響は…

今は昔か?空気の中に情緒の粒子が漂っていた国、日本

今週のお題「雛祭り」 雪はまだ残っているが、ここスイスの里もようやく春めいてきた。日が長くなってくると、気持ちも明るくなる。もうすぐ、3月3日の雛祭り。少し早いが、明るい日差しに誘われて、お雛様にも太陽のお裾分けとばかりに、お部屋にお越しい…

一枚の「地球の写真」に思うこと

数日前のこと、ある新聞記事の写真が目に止まった。1968年12月、アポロ8号の宇宙飛行士が撮ったものだ。月の向こう側に青い地球が浮かんでいる。当時この写真を雑誌で見た時は衝撃的だった。その雑誌を買い求めて写真を切り抜いて、以来大事に持って…

スイスのチョコレート

今週のお題「チョコレート」 チョコレートと言えば、何といってもスイス。「スイスチョコレートの美味しさは、他の追随を許さない、山でいえば世界最高峰エベレストのようなもの」とは、もちろん、私に言わせればという個人的見解ではあるけれど。スイスだか…

節分に思う心の鬼退治

今週のお題「鬼」 今年は2月2日が節分だという。子供の頃の豆まきを思い出す。豆だけでなくキャンディーも混ぜて入っている桝から、ひとつまみごとに「鬼は外!福は内!」と元気よく叫びながら撒いたものだ。そして、後でキャンディーを拾って舐めるのが楽…

袖すり合うも他生の縁

面白い夢だった。長野地方の何処かにあるらしき民藝館を訪ねている。スイス人の連れ合いとの日本旅行の途中だ。入り口横に受付があって、靴を脱いで家の中に入る。小さい民家のはずなのに、廊下の果ては大きな体育館のようなホールになっていて、そこにはい…

オンライン時代に思うこと

スイスではコロナ感染の第二波を受けて、特にコロナウイルスの変異種の広がりの懸念から、2月末までの期限で厳しい予防措置に入った。1月18日からは生活必需品を扱う店を除いて一般店舗の閉鎖。だたし、郵便、銀行、医療関係、美容室、園芸店、キヨスク…

「大人になったなと感じる時」スイスの若者編

今週のお題「大人になったなと感じる時」 ああ、日本はちょうど成人式の季節なのですね。私自身は大人になって幾星霜、「大人になったな」という感慨も遠い昔になりました。そこで今回は、スイスの若者たちがどんな風に社会の中で大人になっていくのか、親の…

印象に残ったインタビュー

スイステレビに、Sternstunde (星の時間)という日曜の番組がある。毎週午前10時から午後1時まで、宗教・哲学・芸術と1時間ずつ3部構成で放送する。2020年最後の「哲学の時間」は、連邦内務大臣アラン・ベルセ氏のインタビューだった。連邦内務省保…

iPad

お題「#買って良かった2020」 iPad この春に念願の新しいアイパッドを買った。思い切らせたのは、縦書き機能の誘惑。私の初めてのコンピューターは、Windows XP搭載のものだったが、10年ほど前に壊れてしまい、その時にマックブックに買い換えた。白い陶器…

大晦日に思うこと

日本はすでに年が明けて2021年が始まりましたね。こちらはあと数時間です。今年は、コロナに始まりコロナに終わりました。世界中が、本当に大変な年でした。ヨーロッパは現在第二波に見舞われており、まだまだ収束の兆しは見えていません。 日本はいかが…