スイス山里COSMOSNOMADO

アルプスの山を眺め空を見上げながら心に映る風景を綴ります

やっぱり紙の本には馴染みがある

今週のお題「読みたい本」 このお題で第二弾。前回、私の本購入の条件は、電子書籍になっていること、と書いた。理由は簡単で、海外に住んでいるから。まったく便利な世の中になったものだ。昔は、日本に帰省するたびに、必ず本のことでは一日費やした。まず…

あるようでない本を読む時間

今週のお題「読みたい本」 読みたい本はいろいろある。何冊かまとめて買ってあるのだが、なかなか読む時間がない。いま手元にある本を並べてみよう。 和田純夫「量子力学の多世界的解釈」、若松英輔「霊性の哲学」、南直哉「超越と実存」、渡辺京一「逝きし…

「花いちもんめ」の無邪気な残酷

久しぶりにツイッターを見ていたら、「花いちもんめ」について投稿している人がいた。「花いちもんめ」、今はもうそんな遊びはないだろう。その人も子供時代の思い出のようだった。フォローしている人ではなかったのだけれど、たまたまタイムラインにつぶや…

詩集「最後だとわかっていたなら」

従姉妹が亡くなった。今朝、別の従姉妹からメールで連絡をもらう。この3月、久しぶりに3人で会ったところだったのだ。実は、昨年の秋に連絡をくれた従姉妹と会った時、亡くなったその従姉妹が癌を患っていたことを知った。手術も成功して今は元気にしてい…

頭の引き出しから、しまってあった夢を出してみる

お題「ずっと覚えている夢」 はてな編集部の毎週のお題の他に、ブログの利用者が出題しているお題もあると知った。ざっと見てみる。いくつか興味を惹かれたものがあったが、これはその一つ。 夢は不思議だ。昼間はまったく考えていなかったことや人が出てき…

映画「Plan 75」がスイスでも上映に

スイスでも、映画「Plan 75」が公開された。評判を聞いて観たいと思っていた映画なので、楽しみにしている。早川千絵監督、賠償智恵子主演で、日本の近未来社会での老人と死について描いているという。そこで描かれた日本では、高齢化が大きな問題になってい…

日本国憲法前文について考えてみる

日本は、祝日の連なるゴールデンウイークの真っ只中である。スイスに住む身には、休日はあまり関係ないが、やはり5月3日は心に引っかかる。今日は、今からちょうど76年前に新しい日本国憲法が施行された日だ。それで、ライブラリーに入っている「日本国憲…

「希望」という名の希望

「希望」という歌があった。「希望という名のあなたを訪ねて、遠い国へとまた汽車に乗る」で始まる歌だ。なぜにまた急にこの歌のことが頭に浮かんだのか。昨今のニュースを見聞きしていて、希望と反対の気持ちを持ってしまったせいかもしれない。環境問題と…

映画「Die Wand 」(壁)

村上春樹氏の新刊が出たという。題名は「街とその不確かな壁」。連想ゲームではないが、その題名に触発されたのか、ふと10年ほど前にチューリッヒの映画館で観たオーストリア/ドイツの映画を思い出した。 原題はDie Wand、日本語では「壁」である。Julian …

外から見ていたこの10年

今週のお題「変わった」 日本はこの10年で変わった。何か今まで日本人が大切にしていたものが蔑ろにされていった10年だったような気がする。社会全体に閉塞感が広がっているようだ。 それはどうしてだろう。やはり一番に考えられるのは政治の劣化ではな…

続・この春は映画三昧

前回に引き続いて映画感想文を書いてみたい。 あれから、5本ほど観た。ジャンルは様々。だが、2作品は一括りにできるかもしれない。それは、「銀河鉄道999」と「スターウォーズ」(第一回作品)で、いずれも未来の宇宙が舞台になっている。それから、日…

この春は映画三昧

この数週間は映画三昧だった。と言っても、映画館で見たのは一本だけで、あとは飛行機の中、オンラインでのレンタル、ネットフリックスである。 まず、映画館で観たのが、ミシェル・ヨー主演の「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」だ。こ…

久しぶりの桜に思うこと

今週のお題「お花見」 日本で桜を見るのは久しぶりだった。今まで帰省はたいてい秋だったから。ところが、用事ができて急にまた日本へ行くことになった。時期的に桜は期待していなかったが、今年の東京は例年より開花が早く、思いがけず満開の桜を見て戻って…

品位に欠ける政治と社会、でも未来に賭ける

今週のお題「かける」 テーマが変わってしまったけれど下書きにしまっていたのでアップします。 日本語は、同音異語がたくさんあるから面白い。今週のお題「かける」という語もそうだ。掛ける、架ける、欠ける、賭ける、駆ける、描ける、書ける、などなど。…

Steins;Gate シュタインズ・ゲート

ネットフリックスから、いくつかの番組配信終了のお知らせが来た。そのひとつに、SFアニメシリーズ「シュタインズ・ゲート」があった。このアニメは、クラブハウスの哲学系の部屋で、主催者の方が紹介していたのを聞いて面白そうだと思い、1年くらい前に試…

最近の新聞記事から

最近読んだ新聞記事から、いつつほどピックアップして、ちょっとコメントも書いてみました。 1)ウクライナでの戦争:ほとんど毎日のように報道されているが、本当に心が痛む。何とか収束できないものなのか。権力を纏った一握りの時代錯誤の愚かな者どもの…

遠い日のドイツ語の試験

今週のお題「試験の思い出」 学校に試験は付き物である。小中学校のテスト、高校大学の入学試験など、思えばいろいろな試験をくぐり抜けてきたものだ。けれども、一番印象に残っているのは、こちらに来てから受けたドイツ語のディプロマの試験。 スイスには…

春の香り

今週のお題「あったかくなったら」 今年に入ってから暖冬だと油断していたら、急に寒くなって零下になった。もしかしたら、これから本格的な寒さがやって来るのかもしれない。 遠い昔、こちらに来て初めて迎えた冬の寒さは厳しかった。零下10度くらいにな…

「古い・新しい」について考えてみる

新しい年が始まって半月あまり経つと、すっかり2023年という呼び方にも慣れてきて、2022年という言葉は、何となく古めいた感じを帯びてくる。時間が前に進むとすれば、過ぎ去った時間はどんどん後ろに消えていってしまうわけだ。イタリアの物理学者…

恭賀新年2023

明けましておめでとうございます。 初詣、初日の出、初売り、初釜、などなど、お正月を迎えて「初」のつく事柄はたくさんある。三箇日も過ぎて、日本でもそろそろいろいろと動き出していることだろう。こちらは、やはりクリスマスが最大行事で、その後31日…

インターネット普及の前と後

今週のお題「ビフォーアフター」 ビフォーアフターで思い当たることは、小さなことも含めればいろいろある。しかし、私にとっての最大のものは、インターネット普及の前と後だ。たぶん、これは私だけでなく、一定年齢以上の人にとっては、最大の生活の変化だ…

日記との長い付き合い

今週のお題「日記の書き方」 日記を書き始めたのはいつ頃だったろうか。中学生の時だったかもしれない。高校生の頃は、大学ノートに盛んに書いていた。日記というのは、ある意味セルフセラピーである。心に沸き起こる様々な思いを綴ることで、自分で自分に相…

久しぶりの日本で体験したこと、思ったこと

先日、航路について書いた。今度は、あちこちになるかもしれないが、久しぶりの日本での印象を書いてみたい。 今回飛んだスイスインターナショナルは、成田第一ターミナル発着である。前回はANAを利用しての羽田発着、だから成田空港は4年半ぶりだった。入…

久しぶりの日本、まずは航路の話

3年ぶりに日本へ行ってきた。コンピューターは持っていかなかったので、ブログともしばらくのご無沙汰となった。スマートフォンで長文を書くのは苦手である。 戻ってから1週間ほどになる。10月の終わりから11月の下旬まで、ちょうど秋が深まる頃で、今…

映画「EN CORPS」を見て思ったこと

先日、タイトルの映画を観た。セドリック・クラビッシュ監督、パリ・オペラ座バレエ団のマリオン・バルボー主演の今年封切られたフランス映画。とても良かった。ごくごく簡単にストーリーを要約すると、クラシックのバレリーナが、足を挫いたことをきっかけ…

好きなバッグ

今週のお題「カバンの中身」 数年前に、大判の財布のようなバッグを見つけた。それ以来、大いに気に入って愛用している。私は、けっこう念の為の小物を持ち歩く人間なので、もちろんそのバッグだけでは足りない。だから、小さなシティリュックサックも同時に…

マイルーティンではない車の運転の話

今週のお題「マイルーティン」 先日、自分のルーティーンについて書いたので、今度は、その反対について考えてみた。それは、車の運転である。 東京で育った私には、車そのものが縁遠かった。東京都心と近郊には、電車と地下鉄の路線網が張り巡らされていて…

亀ジョグ、または走り禅

今週のお題「マイルーティン」 朝の時間を少しばかり「走り」に当てて10数年になる。その日の都合によって、毎日とはいかないが、だいたい週に3回から4回は走っている。活動柄、けっこうメールのやり取りがあったり書くことがあったりするので、コンピュ…

映画「サタデーナイトフィーバー」

なんと、封切りから45年経ってから「サタデーナイトフィーバー」を観た。もちろん、この映画が大ヒットしたことは知っているし、日本のディスコブームの火付け役となったことも知っている。だが、観よう観ようと思いながらも、その機会を逃していた。そし…

映画「ビッグ・ウェンズデー」

#夏に見たい映画・ドラマ・アニメ・バラエティ 夏に見たい映画と聞いて、まず真っ先に思い浮かんだのが、「ビッグ・ウェンズデー」である。1978年のアメリカ映画で、サーファーたちの物語だ。カルフォルニアの海辺の町に住むサーファーの若者3人が主人…